
大林監督が伝えたい「映画だからできること」、「平和への想い」、魂の1冊!
肝臓がんで余命3ヶ月の宣告を受けてから4年目の大林監督が、大学生の若者に語った3時間を完全版でお届けします。前半は、なぜ映画監督になったのか。小津監督や黒沢監督、国内外の映画監督と映画史に残る映画がいまなお伝えるもの。母が自分を殺して、自殺を図ろうとした戦時中の思い出。そこから生まれた平和への強い思いと映画。大林監督が映画を通して伝えてきたものをたっぷり語る。後半は学生との質疑応答。大林監督がいのちがけで、最後に伝える言葉とは?大林監督の作品や出演者、過去の監督や作品などの、脚注も豊富で、映画歴史もよくわかる。平和の大切さがわからなくなっている、いまだから問いかける、魂の一冊。
大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)
映像作家。1938年1月9日、広島県尾道市生まれ。映像の魔術師と呼ばれている。自主映画を経て、山口百恵・三浦友和コンビ、チャールズ・ブロンソンなどを起用した新しいテレビCMを多数制作。1977年『HOUSE / ハウス』(77)で劇場映画に進出。1982年『転校生』『時をかける少女』『さびしんぼう』の尾道三部作で新たなファンを獲得。2016年8月に肺がんで余命3ヶ月を宣告されるも、2017年には『花筐 / HANAGATAMI』を完成。2004年春の紫綬褒章受章、2009年秋の旭日小綬章受章。2009年文化功労者として顕彰。2020年4月には『海辺の映画館-キネマの玉手箱』公開予定。

漫画家・西原理恵子さんが伝えたい「女の子の人生で覚えていてほしいこと」とは?
『毎日かあさん』など独自の視点で家族を描く大人気漫画家・西原理恵子さん。自らの波乱万丈の人生を振り返りつつ、「女の子に教えたいこと」をテーマに講義を行いました。貧困と隣り合わせの少女時代、エロ本イラストからスタートした漫画家生活、アル中の元夫との壮絶な日々……でもすべてを笑い飛ばせる、そのすさまじいパワーはどこから? 「マイルド●●まん」「男捨離」「卒母宣言」など、次々と繰り出す刺激的な発言の数々に女子も男子も大爆笑!
抱腹絶倒の講義と生徒との熱い質疑応答は実に3時間にも及びました。
西原理恵子(さいばら・りえこ)
漫画家。1964(昭和39)年、高知県出身。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。88年に『ちくろ幼稚園』(小学館)でデビュー。97年に『ぼくんち』(小学館)で文藝春秋漫画賞、2004年に『毎日かあさんカニ母編』(毎日新聞社)で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、05年に『上京ものがたり』(小学館)、『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞、11年に『毎日かあさん』で日本漫画家協会賞参議院議長賞を受賞。その他の著書に『ダーリンは74歳』(小学館)、『りえさん手帖』(毎日新聞出版)など。

生物学者・福岡伸一教授が伝えたい「生命とは?生物とは何か?」が明らかに!
『生物と無生物のあいだ』などベストセラー著書で知られる生物学者・福岡伸一教授は「生命とは?生物とは何か?」を問い続けて数十年。「1年前の自分と今は別人。実は完全に入れ替わっている…」。固定概念を揺さぶる目からウロコの刺激的なメッセージが連発します。福岡ハカセと「生命」を考える知的エンターテインメント、ここにあり!
胸を打つような講義と生徒との熱い質疑応答は実に3時間にも及びました。
福岡伸一(ふくおか・しんいち)
生物学者。1959(昭和34)年、東京生まれ。京都大学卒業。米国ハーバード大学医学部研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授。著書『生物と無生物のあいだ』(講談社)はサントリー学芸賞、中央公論新書大賞を受賞、ベストセラーとなる。その他の著書に『動的平衡』(木楽舎)、『ルリボシカミキリの青』(文藝春秋)、『フェルメール 隠された次元』(木楽舎)、訳書に『ドリトル先生航海記』(新潮社)など。

ロボット研究の権威である石黒教授が伝えたい「1000年後の人間」とは?
世界的研究者である石黒浩教授。自分そっくりのアンドロイドを作ったことでも知られています。ロボットを作るのは、人間を探求したいからであり、ロボットを研究することで見えてくる「人間」は、人間存在の根本に迫る問いに応えるものになっていく…。AIが生活の中に入り込み始めた今、石黒教授が語る人間の未来は示唆に富み、この先の生き方にきっと影響を与えるのではないかと思うほど。
衝撃の未来が語られた講義と生徒との熱い質疑応答は実に3時間にも及びました。
石黒浩(いしぐろ・ひろし)
工学博士。1963(昭和38)年、滋賀県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。大阪大学大学院基礎工学研究科教授(栄誉教授)。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。自分自身のアンドロイドをはじめ、文化人や芸能人など多数のアンドロイドを制作。アンドロイド研究開発の第一人者として世界的に注目される。著書に『どうすれば「人」を創れるか―アンドロイドになった私』(新潮社)、『アンドロイドは人間になれるか』(文藝春秋)、『僕がロボットをつくる理由-未来の生き方を日常からデザインする』(世界思想社)など。
読者の皆様から
西原さんの主張はいつも一貫していて、「何が起きても自分だけで生きて行けるいけるようにしっかりと稼ぎなさい。そして、困った時には自分だけで解決しようとしてはダメ、必ず専門家の助けを借りなさい。そのためにもお金が絶対に必要なの!」なんです。
理想が高いのはいいけれど、現実をしっかりと見なけりゃカスを掴むよ。一生潰れない会社に勤めていて、優しくて、家庭的な男なんているわけないんだよ。なんて、世の中の真実をしっかりと教えてくれる西原さんってスゴイです。いろんな辛い目にあっても、それを何とかくぐり抜けてきた人だからこその含蓄のある言葉の数々に「その通り!」とうなずくことばかりです。
失敗するから学ぶんだという言葉も重いです。失敗を恐れるばかりに何もしないことが一番つまらないことなんだと、多くの若い人に伝えてくれてありがとうございます。
『最後の講義 完全版 西原理恵子』
“人生のかじ取りとか決断を人に任せると、何かあったときにその人が憎くなってしまう。自分で自分の幸せを手に入れるためには多少のウソもあり。逃げもあり。真正面から行かない。弱いところでは戦わない。”というところが非常に印象的でした。
逃げることは悪だとされているような現代で、「逃げてもいいんだよ」と、何度も背中を押されているような気持ちになりました。
個人的に面白かったのが、”女の怒りはポイントカード制”の話。女は突然怒り出す、なんて言われるけど今のあなたの一言が50ポイント目でした!って。
女性はもちろん、男性にも是非読んでほしい本だと思いました。
『最後の講義 完全版 西原理恵子』
過酷な人生を生き抜いてきた著者が語る、綺麗事ではない現実的な生き方。自分の足で立つというのは大切だなと思う。サラッと読めるけど、書いてることは体験に基づいた説得力のあるものだった。
私はとっくに女の子ではないけれど、それでも響く言葉もありました。『最後の講義 完全版 西原理恵子』
西原さんの半生が怒涛の連続で、恐ろしかったです。
幸いにも私はDVを受けていませんが、女性は働き続けたほうがいい、という意見に納得しました。
西原さんの娘さんが反抗期とのことで、それをあっけらかんと語る西原さんの度量の大きさ。私だったらパニックになってしまうなぁ。
また、いざという時は逃げる、もいい教訓になりました。あ、逃げてもいいんだ、と。『最後の講義 完全版 西原理恵子』
素晴らしく逞しい方だと思っていた。アル中DV夫と暮らしていたことは映画で知っているが、その後ろにある過去は初めて知った。何かにこだわり過ぎて凝り固まることのない柔軟性を見習いたい。自分にできることを余さず掬い取ってお金を稼ぐ、それができたから今の人生があると公言できる芯の強さ。その言葉が率直すぎるために反発を買うこともあるかもしれないけれど、これからを生きる女性たちへの大いなるアドバイスとエールだと思う。私が子どもの頃にこんなこと言ってくれる大人はいなかった気がする。
『最後の講義 完全版 西原理恵子』
いま、誰かに傷つけられたり、そうなりそうだったりする女性が、これからの未来に希望を持てる、そんな本だと思いました。
人が話さない話だからこそ、本質があるというか、本当は大事なこと。
私には娘がいませんが、姪がもう少し大きくなったらお薦めしたいなと思います。『最後の講義 完全版 西原理恵子』
安定の西原節。かなりの極論ととらえる向きもあるかと思うけれど、真っ向勝負のみを大事にしなくてよい、自分を守ることのほうを大事にしようという「逃げ道」を提示してくれる大人は、息詰まるような毎日を余儀なくされている子にとっては本当に救いになると思うので、大々的には宣伝しなくてもそっと目に留まるところに置いておきたい1冊だなと思います。
女の子に生まれてよかった!と、自分自身でも心底思えてはいないけれど、このような考えに触れることで、同じように負の感情を抱いている生徒がせめて少しでもマイナス要素を減らせたらといいなと思います。『最後の講義 完全版 西原理恵子』
機械の山を登るは、迷い込んだ生命の森
本書を僕なりに解釈し、ちょっと乱暴に捉えてしまうと、自分の仏教観に触れるように琴線が鳴る。
出てくる言葉は科学的のなにものでもないが、その言葉が僕の中の何かと統合する。
合成と分解を繰り返すエントロピー増大の法則こそ刹那の生死ではないだろうか。本書での大切な考えは3つ。
1つ目はエントロピー増大の法則。
2つ目は機械論的な生命観。
3つは目動的平衡の生命観。
大事な考えをここでは紹介しないが(というかできない笑)、理論と体現を片手にし、動的平衡の世界へ誘う筆者と学生の質疑応答トークは必読。顕微鏡を発明したレーウェンフックとフェルメールの奇妙な関係は時代を超え、こうして繋がっていることを知るのが非常に嬉しい。
『最後の講義 完全版 福岡伸一』
「生物と無生物のあいだ」「世界は分けてもわからない」「できそこないの男たち」等々ユニークな論陣を張る福岡先生が最後の講義に選んだのは、やはり「動的平衡」である。本講義で一番気になったのは「ベルクソンの弧」モデルの提起による動的平衡の可視化である。このモデルで動的平衡が説明できているのかは少々疑問ではあるが、説明としては美しい。何となく解ったような気にさせる喩えである。
聴講生との質疑応答も面白い。それぞれの立場の聴講生が自分の立場で講義を解釈し発した質問に対する回答がうまく最後の講義を補完している。『最後の講義 完全版 福岡伸一』
なぜ、生命だけがエントロピー増大の法則に逆らって生きながらえているかというと、最初から頑丈に作ることをあきらめて、自分自身をゆるゆるやわやわに作っておき、それを常に分解して、捨てて、作り替えるという戦略を取ったからです。(本文より)
わたしたち生物は常に生まれ変わっているのです。厳密にいえば、昨日のわたしと今日のわたしは違うものなのです。それなのに、同じものの様に見えるし、昨日の記憶を今日も持ち続けていられのは、そのように設計されているからなのです。
それに気付かない人間は、自分はいつまでも同じだと思い込んでしまうのです。だから、自分が存在する世界を永遠に続くと信じてしまったり、自分は永遠に生きられると思ってしまったりするのです。そして、変わらないことがいいことだなんて妄想を抱いたりしてしまうのです。
そんな考えは所詮妄想ですから、いつかは終わります。どんなに強大な力を持っていた王様だって、いつかは死にます。あんなに頑張った徳川幕府だって15代で終わったんです。永久に続くなんてことはないのです。
この世に生まれてきたら、いつかは死ぬのが運命です。だから、生きている間に何ができるのか?何をしたいのか?無理する意味はあるのか?そんなことを考えさせられた本でした。
『最後の講義 完全版 福岡伸一』
例えば自閉症の子とか認知症のおばあさんがロボットの方が好きだっていうのは、誰にでも多少はある話です。アンドロイドの方が親しみを持って関われるということが、結構ありますね。(本文より)
こういう側面があるということを、この本を読んで初めて知りました。人間じゃないから安心だという感覚というのも大事なんですね。
でも、なかなか人に心のなかを打ち明けないような子どもたちが、マツコロイドとかに向かって心から話をしているのを見ると、みんな感動しますね。(本文より)
どんなに親しくても、いや、親しいからこそ言えないことがあります。他人だから言えてしまうことがあるように、相手がロボットだから言えてしまうことがあるのです。
子どもの時にアトムに出逢ったわたしにとって、ロボットはとても親しみを感じるものです。でも、人間型のC-3POよりもR2-D2の方にシンパシーを感じてしまうのです。こういう感覚って特別なものじゃないんだなってことを知りました。
石黒先生にそっくりなアンドロイドの講義を一度受けてみたいなぁ!
『最後の講義 完全版 石黒浩』
ごくごく平易な言葉で語られた大林監督のオウトバイオグラフィ。
監督は尾道で育ったことは有名だが、医家の旧家で、地方の名士で様々な人間模様を間近に見て、また当時の良質な映画を浴びるほど観て育ったことは感銘を受けた。
僕は伝記を読むとき、その人の「文化資本」が気になるのですが、大林監督はそれに自覚的で、自分が受け取ったものを次の世代にも残してゆこう、という意志がひしひしと伝わって来ます。
日本映画の大家、言ってみれば旬を過ぎたクリエイターが祭り上げられるときの決まり文句ですが、アマチュアから映画界に飛び込んだことを今も誇りとしている監督からは、大家らしい偉ぶりがまったく伝わってこず、さわやかな読後感でした。『最後の講義 完全版 大林宣彦』
この地球にとって、自然界にとって、本来、がん細胞であるぼくたちが欲望のままに生きてきたからです。
そうであるなら、がん細胞と同じようにいつか地球を亡ぼして自分も死ななければなりません。
近い将来、人間はそういう目に遭うぞと、ぼくの宿子であるがんが教えてくれています。
人間はもう少し利口になる必要があります。
冷暖房を我慢するとか、車に乗るのを我慢するとか・・・。(本文より)大林監督は映画を通して「戦争を繰り返してはいけない」ということを訴えています。自分は戦争を知っている人間だから、それは使命だと考えていらっしゃいます。
そして、大林監督が出会った中学生から「わたしたちは戦前の人間なのです」と言われて衝撃を受けたそうです。「あと何年かして戦争が起きてしまったら、自分たちはその戦前の人間ということになります。だからこそ自分たちが平和を守らなければならないのです。」
そういう若者たちが戦争に巻き込まれないためにも、自分たち年長者が平和について伝え続けなければならないとおっしゃっています。
憲法9条も、世界から見れば”非常識な憲法”です。
だけれども、世界の常識が戦争することだとするなら、憲法9条は素晴らしい非常識です。(本文より)日本のどこかで、憲法9条を変えようとしている力が増大しているのです。そんなことを許してはいけません。戦争を放棄することの素晴らしさを、日本国中の人に理解して欲しいのです。そして、世界中の人に伝えなければならないのです。
『最後の講義 完全版 大林宣彦』

最後の講義 完全版 大林宣彦

最後の講義 完全版 西原理恵子

最後の講義 完全版 福岡伸一

最後の講義 完全版 石黒浩
